【書籍紹介】 『ザ・ファシリテーター』
本日は少しアクチュアリーの話から外れて一冊の本を紹介したいと思います。
勉強会の講師に必要なスキルって何
僕は、お客さんもしくは同じ社内の方を対象として、アクチュアリアルなことについて勉強会の講師を努める機会があります。
当然、事前に知識をたくさん詰め込んで、講義内容はもちろん、出席者から質問が来た場合にもそれに耐えられるように準備するのですが、まれに(というか結構な割合で)出席者の方のほうが自分より多くの知識を持っている場合があります。
つい先日もそのような勉強会がありました。
なんでそんな凄い人が僕の話を聞きにくるんだっていう話なんですが、もうそうなったらしょうがないですよね。
生半可に詰め込んだ知識では対抗できません、あとは厳しい質問が来ないことを祈るばかりです・・・
と、ここで気づきました。
そうだ講師じゃなくてファシリテーターになればいいんだと
ファシリテーターというのはファシリテートする人、ファシリテートは日本語で「促進する」という意味です。
つまり、講師である私から何かを一方的につたえるんではなくて、みんなにディスカッションさせて、みんなの中にあるものを深めていってもらう。そういう勉強会スタイルにしてしまえばいいじゃんってことです。
そうであれば僕が頑張って知識を詰め込む必要もありません。
何てすばらしいんだ!!!
ファシリテーターにもスキルが必要です
と、だからといって何もせずにファシリテーターになれるほど、世の中甘くありません。
アクチュアリーとしての知識の詰め込みが必要ない分、ファシリテーターとしての知識は必要です。
冒頭で紹介した『ザ・ファシリテーター』はどのようなスキルがファシリテーターに求められるのかそれを小説形式で紹介した本です。
スキルの紹介と小説そのものの面白さがかみ合って流れるように読めます。
紹介されているスキルは様々ですが、大所としてはいわゆるコンサル系の思考整理スキルですね。「MECE」や「SWOT」このあたりを率先的に使用して、参加者の思考を整理していくことが提言されています。
僕の中で印象に残ったのは質問スキルですね。
一般的な質問で役に立つのは、全体を意識させる質問、分散(多様性)を意識させる質問、自分たちがコントロールできるものとそうでないものを意識させる質問、時間軸を意識させる、基準を意識させるなどが、私の経験では有効です。
この質問スキルはぜひ磨きたいですね。
このスキルは勉強会以外の場面、例えば自分が部下をもったときにも、すごく役に立つと思うんですよね。
自立した部下を育てるためには、部下が自分自身で考えられるようにしなければなりません。
これらの質問は思考の深化を促すものです、もちろん自分自身に対して使うのも有効ですが、育成の場面でも大きな力を発揮すると思います。
他にも、あえてみんなに不満を徹底的に吐かせて疲れさせた後に、前向きな話にもっていくみたいなトリッキーなテクニックも紹介されています。
ファシリテートな勉強会にも挑戦してみよう!
僕自身はファシリテーターの第一人者でもなんでもないですが、この本はとてもおすすめです。
アクチュアリーの人に限らずですが、目上の人、自分より知識のある人に講義を行わなくてはならなくて困っている方、ぜひこの本を読んでファシリテーターとしてリードするスタイルを模索してみてください。